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EMC試験は、電子機器の設計および製造プロセスにおける重要なステップです。FDA、FCC、ISOなど、さまざまな規制当局や認証機関が、電子機器から放出されるエミッションに特定の制限を設けています。EMC(電磁両立性)規制は、電子機器が他の機器の動作を妨げないことや、他の電磁波が干渉した際には設計通りに動作しないことを保証し、電気・電子機器を使用する人により高い信頼性と安全性を提供します。EMCコンプライアンス試験の不合格は罰金や製品リコールにつながる可能性があります。
そのため、EMC試験の前に、潜在的なEMC、特にEMIの問題を発見できる機器を購入することは、投資に値すると言えます。
EMIとEMCは非常によく似ていますが、両者にはいくつかの違いがあります。
EMIとは?
EMIとは電磁干渉のことで、電磁エネルギーが電子機器の動作を妨害することによって発生します。RFI(無線周波数干渉)と呼ばれることもあります。EMIの発生源は、スイッチング電源やパソコンなどの他の電気機器などの人工的なものから、雷雨や太陽放射、あるいは宇宙雑音などの自然発生的なものまであります。
EMCとは?
EMC(電磁両立性)とは、他の電子機器やEMIの発生源がある環境において、それらの機器に影響を与えることなく、意図したとおりに動作する機器の能力のことです。他の機器やシステムに悪影響を与えるほど電磁環境に影響を及ぼさない機器をEMC適合品と言います。
EMC試験とは?
EMC試験とは、機器の電磁両立性を評価する試験です。多くの企業が、EMIやEMCの国内・国際規制への適合を確認するために、専門の試験施設のサービスを採用しています。しかし、EMC試験には費用がかかります。そのため、たとえ製品が不合格になるとしても、社内でEMCプリコンプライアンス・テストを実施する企業が少なくありません。また、高度なラボがあれば、自社内でEMCコンプライアンス・テストを行うことも可能です。
EMC試験は、一一般的にEMS試験とEMI試験の2つに分類されます。
EMC試験の種類(EMS試験とEMI試験)
電子機器がEMC試験所に提出された際に、試験所が実施するEMC試験には多くの種類があります。一般的には、EMC試験はEMS試験(イミュニティ試験)とEMI試験(エミッション試験)の2つに分類されます。
EMS試験(イミュニティ試験)
EMS試験とは、被測定物(DUTまたはEUTとも呼ばれる)にRFエネルギーを照射し、その環境下でDUT/EUTが正常に動作するかどうかを判定するプロセスです。
EMI試験(エミッション試験)
EMI試験とは、DUT/EUTのRFエミッション(放射および伝導の両方)を測定し、そのエミッションレベルが適切な規格で定義された制限を超えないかどうかを判断するプロセスです。EMI試験には、放射エミッション試験と伝導エミッション試験の両方が含まれます。
放射エミッション
放射エミッションとは、電子機器から意図的または非意図的に放出される電磁エネルギーのことです。放射試験は、DUTまたはEUTから発せられる放射が適用される制限に適合していることを確認するために実施されます。
伝導エミッション
伝導エミッションとは、機器から電源コードへ電磁エネルギーが結合することです。放射エミッションと同様に、電子機器からの伝導エミッションの許容値は、異なる規制機関によって管理されています。エミッションレベルが該当する許容値以下であることを確認するためにテストが実施されます。
EMC試験の用途と規格
EMC試験は製品開発プロセスの一部であり、ほとんどの市場でテストが義務付けられています。すべての電子機器がEMC試験の対象となりますが、EMC試験の代表的な用途と機器や装置が満たすべき規格を以下に示します。
マーケット・セグメント | 機器の種類 | 規格 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
IEC/CISPR | CENELEC/EN | FCC | MIL-STD | DEF-STAN | ||
ISM医療 | 産業、科学、医療機器 | CISPR 11 | EN 55011 | CFR Title 47 Part 18 | ||
医療用の電気機器 | EN 60601-1-2 | |||||
自動車 | 自動車、船舶、内燃エンジン | CISPR 12 | EN 55012 | CFR Title 47 Part 15(*) | ||
車載用のコンポーネントおよびモジュール | CISPR 25 | EN 55025 | ||||
マルチメディア | サウンドおよびTV放送レシーバ | CISPR 13 | EN 55013 | CFR Title 47 Part 15 | ||
情報技術と通信機器(ITE) | CISPR 22 (EN55032に置き換え) | EN 55022 (EN55032に置き換え) | ||||
プロ・オーディオ/ビデオ/マルチメディア機器 | CISPR 32 (CISPR 13および22に置き換え) | EN 55032 | ||||
電化製品 | 電気デバイス、家庭用電化製品およびツール | CISPR 14-1 | EN 55014-1 | CFR Title 47 Part 15 | ||
照明 | 蛍光灯および照明 | CISPR 15 | EN 55015 | CFR Title 47 Part 15 | ||
防衛 | 防衛機器とシステム | MIL-STD-461G | DEF-STAN 59-411 |
EMI/EMCプリコンプライアンス・テスト
テクトロニクスのEMI/EMCプリコンプライアンス・テストは簡単で、時間もかかりません。顧客からのフィードバックに基づいて、テクトロニクスは、使いやすさと機能性を念頭に置いた、放射、伝導のプリコンプライアンス・テストが行える次世代ソフトウェアを開発しました。
EMI/EMCプリコンプライアンス・テストのセットアップは、SignalVu-PCから始まります。EMCVuと呼ばれる追加オプションを使用することで、この最新版のSignalVu-PCをご利用いただけるようになります。EMCVuには、使いやすい設定ウィザード、内蔵された規格、押しボタンによる選択機能を備えたアクセサリ設定機能が備わっています。オープンエア・テスト・サイト(OATS)をセットアップする場合でも、研究室でテストしている場合でも、EMCVuは周囲の雑音を取込んで除去するため、無響室を使用せずにプリコンプライアンス・テストの精度を高めます。
EMCVuとスペクトラム・アナライザおよびアクセサリを使用して、放射、伝導エミッションのプリコンプライアンス・テストを実行する方法の詳細については、こちらのアプリケーション・ノートをダウンロードしてください。
30日間の無償試用版でEMCVuをお試しになりたい方は、以下のボタンをクリックしてください。
EMC試験所
EMC適合試験は、機器の製造前にオフサイトで行われるのが一般的です。オープンサイト(OATS: Open-air test sites)はほとんどの規格で使用されている標準的な場所です。特に、大型機器システムのエミッション試験に有効です。しかし、物理的なプロトタイプのRFテストは、屋内の専用の無響室で行われることが多くなっています。無響室の他にも、残響室、ギガヘルツ横波電磁セル(GTEMセル)などがあります。
EMC試験手順と平均合格率
プリコンプライアンス・テストを考慮しない場合、約50%の製品が最初のEMC試験に合格しています。そのため、合格の可能性を高めるためには、機器がテストされる過程と規格を理解することが不可欠です。
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基準を知る
EMCコンプライアンス試験は、最長で2週間かかることがあります。試験予約ができるまでの時間を含むと、さらに時間がかかります。また、1回の提出で最大約250万円の費用がかかります。EMC対応に失敗すると、設計変更に高額な費用がかかったり、製品発売の遅延を招く可能性もあります。また、プリコンプライアンス・テストを考慮しない場合、50%近くの製品が最初のEMC試験に不合格となるため、試験所への訪問を繰り返すことになり、時間の経過とともにコストが倍増していく可能性があります。
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EMCプリコンプライアンス・テストの実施
EMCコンプライアンス試験は、最長で2週間かかることがあります。試験予約ができるまでの時間を含むと、さらに時間がかかります。また、1回の提出で最大約250万円の費用がかかります。EMC対応に失敗すると、設計変更に高額な費用がかかったり、製品発売の遅延を招く可能性もあります。また、プリコンプライアンス・テストを考慮しない場合、50%近くの製品が最初のEMC試験に不合格となるため、試験所への訪問を繰り返すことになり、時間の経過とともにコストが倍増していく可能性があります。
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EMC試験所の検索
プリコンプライアンス・テストを経て、問題なくテストに合格した製品は、EMC試験所による正式な認定を受ける必要があります。認定された試験所はEMC試験のゴールドスタンダードです。認定された試験所を選ぶことは、製品が市場に出る準備ができていることを保証するために、絶対ではありませんが、常に推奨されています。ただし、「認証」認可手続きに該当する機器など、FCC認定試験所による認証が必要な場合もあります。
EMC試験に合格する方法
テクトロニクスのEMI/EMCプリコンプライアンス・テストは、製品がEMC試験に合格するための迅速で手頃な方法です。開発初期段階で、EMCに配慮した設計技術と診断技術を組み合わせて、外部および内部干渉の影響を受けにくい製品を構築します。開発サイクルの後半では、プリコンプライアンス・テストにより、コンプライアンス上の問題を発見し、EMC試験初回での合格確率を向上させます。
さらに、プリコンプライアンス・テストには以下のようなメリットもあります。
- エラーを早期に発見し、潜在的な問題を解決する
- 試験や設計のコストを削減する
- プロジェクトがよりアジャイルになる
- 失敗のリスクを減らし、コンプライアンス遵守を確実にする
- 設計や開発の過不足に対処する
テクトロニクスのEMI/EMCプリコンプライアンス・テストのセットアップとEMC試験所の比較について、こちらの動画をぜひご覧ください。
プリコンプライアンスEMC試験所の設置
テストサイトを選択する場合、測定しようとするDUTのエミッションレベルに影響を与える可能性のある外部信号を最小限に抑えることができるため、地方、会議室、地下室が良い選択肢となります。その他、精度を上げるために、接地面をよくする、テストエリア周辺の反射物を少なくするなどの配慮が必要です。
EMC試験に関する製品
EMCプリコンプライアンス・テストの目的は、EMC試験のセットアップを許容誤差で模倣し、高価なEMC試験の前に潜在的な問題を発見し、失敗のリスクを低減することです。EMCプリコンプラインス・テストは、通常、下記を含みます。
- 準尖頭値検出機能付きスペクトラム・アナライザ
- プリメインアンプ(オプション)
- 放射エミッション用の非金属製スタンド付きアンテナ
- 導通試験用の疑似電源回路網(LISN)
- 導通試験用パワーリミッター
- 診断用EMC近接場プローブ(オプション)
- デバッグを支援するための周波数と時間の相関機能を備えたオシロスコープ(オプション)
- EMC試験ソフト
EMC試験の関連資料
アプリケーション
EMI/EMCプリコンプライアンス・テストソリューション
テクトロニクスのEMI/EMCプリコンプライアンス・ソリューションの詳細、プリコンプライアンス・テストセットアップの組み立て方、トラブルシューティングのヒントをご紹介します。
ブログ
EMI/EMCプリコンプライアンス・テストの経済的メリット
EMC試験費用の見積もりと、プリコンプライアンス・テストソリューションを社内に設置することで実現できるコスト削減についてご紹介します。
導入事例
DetectusスキャニングシステムとTektronixリアルタイム・スペクトラム・アナライザによる高速3D EMI/EMCスキャン
急成長中の新興企業Eggtronic社がテクトロニクスのリアルタイム・スペクトラム・アナライザを使用して、自社製品がEMC規格に準拠していることを確認するための超高速スキャン手順を実現した方法をご覧ください。
アプリケーション・ノート
テクトロニクスEMCVuによるEMI/EMC問題のトラブルシューティング
設計のやり直しにかかるコストが少ない時期に、よくある設計上の不具合に早期に対処する方法をご紹介します。
お客様の業務に最適なEMCプレコンプライアンス・テストソリューションを今すぐお試しください。
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